予防歯科とは
日本では「歯医者は歯が痛くなってから行くところ」というイメージを持つ方が多いですが、欧米や北欧では予防歯科が広く普及し、定期的に歯科を受診してお口の健康を守ることが常識となっています。
予防歯科とは、虫歯や歯周病といった病気を「発症してから治す」のではなく、「発症しないように防ぐ」ための取り組みです。歯科医院での定期的なチェックやクリーニング、正しいセルフケアの指導を通じて、お口の健康を維持し、生涯にわたり自分の歯で食事を楽しむことを目的としています。
従来の「治療中心型」から「予防中心型」へ。年齢や生活習慣に応じたケアを継続することで、歯の寿命を延ばし、豊かな生活をサポートします。
予防歯科を行う目的
1. 虫歯・歯周病の発症を防ぐため
虫歯や歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)や歯石の蓄積 です。日々のセルフケアだけでは完全に取り除くことは難しく、知らないうちに口内環境が悪化してしまうこともあります。定期的なクリーニングや検診を受けることで、これらの病気を未然に防ぎます。
2. 早期発見・早期治療で重症化を防ぐため
初期の虫歯や歯周病は自覚症状がほとんどないため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。予防歯科を習慣化し、定期的な検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能 になり、最小限の治療で済ませることができます。
3. 歯をできるだけ長く保つため
一度削った歯や抜いた歯は元に戻りません。虫歯や歯周病が進行すると、最終的に抜歯が必要になることもあります。予防歯科を継続することで、天然の歯をできるだけ長く残し、生涯にわたって健康な口腔環境を維持することができます。
4. 治療費や通院の負担を減らすため
虫歯や歯周病が進行してから治療を行うと、通院回数が増え、治療費も高額になりがちです。予防歯科を取り入れることで、病気を未然に防ぎ、結果として治療にかかる費用や時間を大幅に削減 できます。
5. 全身の健康を守るため
近年の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、脳梗塞、認知症などのリスクを高める ことが明らかになっています。口腔内の健康を保つことは、全身の健康維持にも直結しており、病気の予防にもつながります。
当院の予防歯科・メインテナンスについて
当院では、むし歯や歯周病を未然に防ぐために 3〜4か月ごとの定期的なメインテナンスをおすすめしています。また、お口のトラブルが発生した場合でも、早期発見・早期治療を行うことが健康な歯を守る第一歩です。小さなむし歯や初期の歯周病であれば、治療回数や負担を大幅に減らすことが可能です。
健康な歯を保つことは、健やかな身体を維持することにもつながります。予防を習慣にし、生涯にわたり自分の歯で食事を楽しみましょう。
当院で受けられるメインテナンス
歯の汚れの染め出し・お口の中の写真撮影
汚れが残っている箇所を赤く染め出し、どこに磨き残しがあるかを一緒に確認します。写真を撮影して経過を記録することで、ご自身の変化も実感できます。
PMTC(プロフェッショナルクリーニング)
歯科衛生士が専用の器具で、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した汚れを丁寧に除去します。1本ずつ磨き上げることで歯がツルツルになり、汚れや細菌がつきにくくなります。
フッ素塗布
歯の再石灰化を促すフッ素を歯の表面に塗布し、虫歯に強い歯をつくります。定期的に行うことで効果が高まります。
噛み合わせチェック
噛み合わせに乱れがないかを確認し、必要に応じて詰め物や被せ物の調整を行います。噛み合わせの改善は、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
ブラッシング指導
年齢やお口の状態に合わせて、磨き残しを減らすための正しい歯磨き方法をお伝えします。毎日のケアを効果的に行えるようサポートします。
生活習慣・セルフケアのアドバイス
食生活や間食の取り方、フロスや歯間ブラシの使い方など、日常生活でできる工夫をお伝えします。毎日の習慣を整えることで、予防効果をさらに高めます。